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河合宗寛(かわいむねひろ)

1982年生まれ 愛知県出身

横浜国立大学教育人間科学部卒業

大学卒業後日本アウトワード・バウンド協会で冒険教育インストラクターとして勤務。

2006年~2008年、青年海外協力隊としてタンザニアで体育教育の振興に従事。体育教育の普及、指導者養成、関係機関の協力体制構築に貢献した。

帰国後、(財)日本アウトワード・バウンド協会にて冒険教育を通じた青少年教育、人材育成に従事。インストラクターとしてのプログラム運営の他、安全担当としてヒューマンファクターに基づく安全な仕組み作り、装備施設管理担当として施設管理のシステム構築を行った。

2015年独立、山岳ガイドと体験学習事業を行うWilderness Facilitation(ウィルダネス・ファシリテーション)を立ち上げる。

長野でファシリテーションを学び合う場、ファシリテーション・ラボ信州を主催。

 


エピソード1~私の原体験~

私が中学2年生の時でした。当時の私は、自分に自信が持てませんでした。学校では目立ちたいけど特別なとりえがあるわけでもなく、自分の中で決めた「学校でイケてる人ランキング」は中の中。大きく見られたい、どうやって自分を大きく見せようか、と日々考えていたように思います。


?????????????????????????????????????????????????????????そんな中学2年の冬休み、伯父に連れられてヨットの旅に出ました。未知のことをやってみるというのは不安でヨットに乗ることをかなり渋ったと記憶しています。しかも初日から海は大荒れで雨、風、波に襲われ、ヨットが転覆するのではないかとドキドキしました。そんな状況にもかかわらず伯父は冗談を飛ばして笑っていました。何時間かの航海の後、天気は回復し、私たちは港に到着しました。ヨットの上で火を熾してご飯を食べ、ヨットの中で寝ました。港に無事辿りついた頃から、私の気持ちも変化して、旅全体がとてもエキサイティングで楽しいものへと変わっていきました。以来、一つ一つの体験が新鮮でワイルドで、それまでの私がまるで知らなかった遠い世界の出来事のようでした。4日間を海の上で過ごした後、いつもの生活帰ってきました。冬休みがあけて学校生活に戻る と、なんだか周りが小さく見えたことが印象的でした。自分が勝手に作り出していた「イケてるランキング」も変化しました。というよりはそれが幻想であることに気付いたのかもしれません。

この旅で学んだことを1つ言葉にするのならば、「真のかっこよさって、内面からにじみ出るものなんだ」ということです。伯父と過ごして私が肌で感じたことです。それまでの私は、自分を大きく見せかけることばかりに気を遣っていました。それがこの旅以来、「真にかっこいい男になりたい」と思って、自分を大きく見せることよりも、自分の中身を磨くことにエネルギーを注ぐようになりました。すると不思議なことに、未知のことに対して不安ではなくワクワクした気持ちが湧いてくるようになりました。様々なことに挑戦してみようと思えるようになりました。そして何かやってみるとそこから得られることがあって、その都度成長できる自分を感じました。まるで僕の人生が狭い世界を飛び出して成長のスパイラルに乗ったようでした。

ほんの少し勇気を出して自分を閉じ込めている世界から踏み出してみることで、人は成長できるように思います。それは子どもでも大人でもいくつになっても同じだと思います。自分のこれまでを振り返ってみて改めてそう感じます。訪れてくれる人が成長できる場を作っていきたいと思っています。


エピソード2~山岳ガイドという仕事に魅かれた出会い~

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大先輩のガイドさんのところで私が見習いをさせてもらっているときのことです。20代の頃山登りをしていたけれど、仕事や結婚等が理由で30年以上登山から離れていたという方に出会いました。「定年して時間ができたのでまた山に登りたいという想いが膨らんだ」とその方はおっしゃっていました。また「もう若くないし、体力もないし、膝も痛めている」とも。そんな不安を抱えながら「自分1人で山に登るのは不安だけどガイドさんが一緒ならできるかもしれない」と、先輩ガイドさんのところにやってきたそうです。その方は、少しずつトレーニングを重ねて、昔目標にしていた山に挑戦されました。結局そのときは途中で引き返しましたが、その場に立ち会うことができた私には心にずしっと響くものがありました。「ガイドってただ案内をしたり、技術を教える仕事ではないんだな」「その人に人生の一部に関わる仕事なんだな」そんなことを実感しました。

誰の背景にも様々な想いやストーリーがあるのだと思います。そして、簡単なことではありませんが、できる限りそれぞれの想いに寄り添えるガイドでありたいと思っています。