門出の旅
新たなステージへ踏み出していく君へ
進学する人、
就職する人、
新しい環境で頑張ってみようと思っている人、
きっかけを掴みたいと思っている人、
最高の思い出と共に
今後の自分を支えてくれるような旅をしてみませんか?
門出の旅は、
新たな一歩を踏み出そうとしている皆さんに、
とびっきりの自然環境の中で、
挑戦と対話を通じて自分を磨く機会を提供するプログラムです。
※ 現在、門出の旅は参加者を公募していません。
これまで旅を共にした仲間に向けて、お祝いの気持ちを込めてプレゼントしています。
ご要望がありましたらオーダーメイドでご相談ください。
【日程】ご希望の日程をお知らせください。
【対象】中学3年生〜20歳くらいまで。アウトドアの知識や経験は必要ありません。自分を成長させたいと願っている人が対象です。
【参加費】日数や内容によって異なります。ご希望をお知らせくださればお見積り致します。
【定員】特にありません。ご希望のメンバー、人数でご相談ください。
【申し込み方法】ページ下部のリンクからお申し込みください。
【持ち物】
ご希望の内容に合わせて持ち物リストをお送り致します。専門的な装備はレンタル可能ですので、お問い合わせください。
【エピソード】
本当は目立ちたいけど特別なとりえがあるわけでもなく、勝手に自分を「学校でイケてる人ランキング、中の中」に位置付けて、自分に自信を持てずにいた中学生時代。大きく見られたい、どうやって自分を大きく見せようか、そんなことを考えて悶々としていました。
当時サッカーをやっていたのですが、ミスするのが怖くて、「パスをくれ」の声が出せませんでした。練習ですら下手くそなところを見せるのが怖くて、あまり積極的に取り組みませんでした。もちろんうまくなるはずもなく試合にも出られない。出ても練習してないんだから活躍できるはずもなく、挙句の果てには声も出せない。
サッカーは楽しかったし、好きでした。でも、どこかビクビクしながら過ごしていたように記憶しています。
母が東京出身ということもあり、親戚が関東に多くあり、夏休みや冬休みはトーキョーで過ごしていました。田舎の少年だった僕は「おれトーキョー行ってきたぜ」という武装によってイケてるランキングをちょっとでも上げようとしていました。サッカーがダメでもトーキョー武装で取り戻すという発想だったのかもしれません。
そんな僕にも転機が訪れます。伯父につれられてヨットに乗って4日間の航海を経験することになるのです。
中2の冬休み、例のごとくトーキョーで過ごしていました。伯父から「ヨットに乗らないか?」と誘われました。この伯父は、トーキョーの駅にパジャマみたいな格好でやって来て、「おーい、こっちだぞー」なんて人混みを飛び越えて叫んじゃうような人で、当時の僕にとってみたらかっこ悪さの象徴みたいな人でした。この伯父と海に出るなんて、僕がトーキョーに求めていたものとはかけ離れていました。行きたくないとかなり渋ったと記憶しています。未知のことに踏み出す勇気もなかったのだと思います。伯母にも説得され結局ヨットの旅に出ることになりました。
伯父と従兄弟のお兄ちゃん2人、それから知らないおじさんと僕、5人で荷物を積み込み出港しました。出だしこそ快調だったものの途中から海は大荒れで雨、風、波に襲われ、ヨットが転覆するのではないかとドキドキハラハラしました。「来るんじゃなかった、でももう戻れない、せめていきて帰りたい」そんなことを思っていました。伯父はというと、大荒れにもかかわらず冗談を飛ばして笑っていました。「おやっ、あの伯父さんがかっこいい」という気持ちが芽生えたのはこのときかもしれません。何時間かの航海の後、天気は回復し、僕たちは港に到着しました。ヨットの上で火を熾してご飯を食べ、ヨットの中で寝ました。港に無事辿りついた頃から、僕の気持ちも変化して、旅全体がとてもエキサイティングで楽しいものへと変わっていきました。翌日は穏やかな冬の太陽が降り注ぐ中、私は舵を持たせてもらって水平線へと船を進めました。他のメンバーは船室で眠っていました。伯父と2人の空間はなんだか特別なものに思えました。以来、一つ一つの体験が新鮮でワイルドで、それまでの僕がまるで知らなかった遠い世界の出来事のようでした。4日間を海の上で過ごした後、いつもの生活へと帰ってきました。冬休みがあけて学校生活に戻る と、なんだか周りが小さく見えたことは今でも不思議な感覚として覚えています。
海で出会ったかっこいい大人と雄大な景色は、僕に大切なことを教えてくれました。「かっこよさって着飾るものじゃなくて、内側から滲み出るものなんだ」ということを肌で感じたのでしょう。この時から僕の中の「イケてる人ランキング」は重要ではなくなりました。
すると、「どう見られるか」ということばかり気にしていた僕が、一歩を踏み出せるようになりました。クラスメイトが自分を評価する存在だと思っている間は、一生懸命武装して心を閉ざしていたのだと思います。自分を開いてみるとまったく違った景色が見えてきました。いつしかクラスメイトがかけがえのない存在へと変化していきました。3年生の3学期には、「卒業まであと〇〇日しかない」「時間よ止まってくれ」と、そんなことを願いながらカウントダウンしている自分がいました。こんな気持ちになれるなんて海に出る前の自分には想像もできませんでした。モノクロだった世界が彩り豊かなものに変わりました。そして、自分を磨くこと、挑戦することが楽しくなり、自分なりのかっこよさを追求できるようになっていきました。
新たなステージへ踏み出していく君へ