本州最南の地、紀伊半島。深い森に豊かな水を湛え、古えの時代より滔々と続く熊野の流れ。
大きな釜を持つ熊野の門をくぐると、今度は50mの大滝に迎えられる。
滝を越えて、さらに奥へと踏み入る
火を囲み一夜を過ごせば、すっかり熊野に馴染む
秋晴れの下

南紀の旅路をゆく
その昔、巨人が積んだのだろうか。巨岩を攀じり、くぐる。
足元には小人たちの気配
翠の淵で戯れ

自然の造形に悠久の時を思ふ
濡れた体に心地いい
やがて渓は一枚岩に

どこまでも続く回廊をひたひたと
時折現れる淵と滝を越え
古人の足跡を目指す
野生の世界から人の匂いのする場所へ
勝浦の海を望み
那智の神様をお参り

巨木の歴史と石畳をたどり下界へ